時々往々にして

すきなことをすきなように書きます

【映画感想】スパイダーマン:ホームカミング 粗はあるけどとにかく楽しい!お帰りスパイディ!




IMAX3Dで観てきました、『スパイダーマン ホームカミング』!
楽しい!笑える!面白い!
ひたすら楽しい2時間半でした!絶対にまた観に行きます。

f:id:tokidokioh:20170807183141j:plain

朝一番の回に行ったのですが、人の数に圧倒されました。
10分前に行ったのに定刻に間に合わずCMの途中から入る羽目になったくらい。
私の最寄りの某シネコンでこんなに人がいるの初めて見ました。

そして、私の行ったところだけでしょうか、いつもより予告編の時間が長い…。
体感で15分くらいは予告編を見せられた気がします。
ブレードランナー2046』の予告を初めて観れたので文句はないですが。
映画館で予告を観ると、興味なかった映画でも観に行きたくなりますね。
今年はそれで『東京喰種』という当たりを引けたのでなかなかバカにしたもんじゃないです、予告編。

本編も素晴らしかったのですが、一番感情が込み上げてきたのは、
いつものIMAXのカウントダウンがスパイダーマン仕様になっていたところ。
『シビル・ウォー』以来、本当に帰ってくるのを楽しみに待っていたので此処で一気に気持ちが昂ぶりましたね。

本編はもう良さ、良さ、良さ、という感じで全編通して幸せになれる作りで、待っててよかったなーって感じ。
「大いなる力には大いなる責任が伴う」「貴方の親愛なる友人」、あるいはヴィラン側への眼差しという、いつものスパイダーマンの要素を忘れずに取り込みつつ、
アイアンマン=トニー・スタークとスパイダーマン=ピーター・パーカーの擬似家族の要素とアベンジャーズの要素を新たに付け加えていて、
フレッシュかつ定番の楽しさを感じられる一本です。

基本情報

監督:ジョン・ワッツ
脚本:ジョナサン・ゴールドスタイン、ジョン・フランシス・デイリー、クリストファー・フォード、クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ
出演:トム・ホランドマイケル・キートンジョン・ファヴローゼンデイヤドナルド・グローヴァー、タイン・デイリー、マリサ・トメイロバート・ダウニー・Jr

監督は今作が長編映画3作目という新鋭、ジョン・ワッツ
脚本に参加しているクリストファー・フォードとは3作すべてでタッグを組んでいる。
このコンビが前回手掛けた『コップ・カー』については弊ブログのこちらの記事を参照していただけるといいかも。
tokidokioh.hatenablog.com
今回のスパイダーマンにも通じる、この監督の作品に滲むこだわりについて書いてます。


加えて、ジョナサン・ゴールドスタインジョン・フランシス・デイリーらが脚本に参加。
この人たちは良く知らなかったが、調べてみると『くもりときどきミートボール2』という「傑作アニメーションの続編」の脚本家だそうで。
『1』は傑作だったけど『2』は記憶があまりないので、腕利きのスーパー脚本家!というわけではなさそう。


役者は新顔、MCUの常連、みんな最高だった(上から目線)。
f:id:tokidokioh:20170811150048j:plain
主役のトム・ホランドは、スタン・リーをして「スパイダーマンを演じるために生まれてきた男」と言わしめるハマりっぷり。
ミュージカル『ビリー・エリオット』で仕込まれた(パンフより本人談)屈指のアクション能力を生かして、可能な限りアクションシーンは本人が担当したとか。
史上最も若いスパイダーマンの、その初々しさ、青さを完璧に演じ切っているように思う。かわいかったー。
『東京喰種』の窪田くんもそうだったけど、20歳越えてなお少年の雰囲気を醸し出せる俳優さんってすごいし羨ましい。

マイケル・キートンは流石のマイケルキートン力。
「家族のためなら何でもするぜ」という、絶対的な悪ではなく相対的な悪を完璧に演じ切っていると思う。
家族の前では本当にナイスパパって感じなのに、仕事中の悪い顔は本当に憎むべきやつって感じ。
ロキ以来、ようやくMCUに魅力あるヴィランが出てきたなと思った。

ピーターのクラスメイト達もフレッシュでとても良かった。
ジェイコブ・バタロンは『アントマン』の3バカをギュッと1人の人間に凝縮したような感じ。要するに最高に楽しいサイドキック。
ローラ・ハリアーはすごくセクシーで高嶺の花って感じがすごいフェロモンとして出てたし、
ゼンデイヤは『ブレックファスト・クラブ』の不思議ちゃんを完コピしたようなキュートな変人がはまり役。
本人はミリオンセラーの歌手でありモデルというスーパーな人みたいだけど。
クイズ部の面々も少ししか出番ないわりにしっかりそれぞれ印象に残ったし、ここはジョン・ワッツ監督の人物描写への執念が出てた部分だと思う。

ロバート・ダウニー・Jrはアイアンマン歴10年だけあって、画面に映るだけで気分がアガるしアメコミ映画観てる!って気分になる。
主人公のピーター・パーカーに対するメンターであり擬似的な父親でもあるという立場。
自分(トニー・スターク)が父親とあまりいい関係を築けていなかったからかピーターに対してぎくしゃくし他態度を取りつつも、キチンと見守って父親役を果たそうとしていたのにはジンワリ来た。
初登場の傲岸不遜なアンチヒーローから10年。
この10年で、トニーも遅まきながら成長したんだな、と思ってしまう(上から)。

そして何より、ジョン・ファブローがマーベル映画に帰ってきてくれて本当に嬉しい!
『アイアンマン』シリーズでの活躍は言うまでもなく。
MCUの礎というべき映画監督であると同時に、最高にチャーミングなキャラクター、ハッピーの役者でもある。
本作ではピーター・パーカーの兄貴分として、トニー・スタークとの擬似家族的紐帯を形成する、けっこう重要な役回り。
出来のいい「弟(=ピーター)」にばかり目を向ける「父(=トニー)」に嫉妬しているようにも見えてかわいかった(小並)。

あらすじ

ベルリンでのアベンジャーズ同士の戦いに参加し、キャプテン・アメリカのシールドを奪ったことに興奮するスパイダーマンこと15歳の高校生ピーター・パーカーは、ニューヨークに戻ったあとも、トニー・スタークからもらった特製スーツを駆使し、放課後の部活のノリで街を救う活動にいそしんでいた。そんなニューヨークの街に、トニー・スタークに恨みを抱く謎の敵バルチャーが出現。ヒーローとして認めてもらい、アベンジャーズの仲間入りをしたいピーターは、トニーの忠告を無視してひとりで戦いに挑むのだが……。

スパイダーマン ホームカミング : 作品情報 - 映画.comより

どうでもいいけど、予告編で話の中身あらかた全部わかってしまうのはどうかと思った。
「あ、これ予告のあれだな」「ここ予告で観たな」と思ってるうちにラストに行ってしまったのはちょっぴり残念。
1か所だけ吃驚するところがあるけど、あそこもそのあとのタメがいまいちだったので勿体ない。
www.youtube.com
恒例のポストクレジットのチョイ見せは2つ
1つ目は今後の『スパイダーマン』の伏線になりうる内容だったからマストで観るべきだけど、
2つ目は何て言うか、デッドプールのパクリ?的な内容で今後へのフックではないので、こっちはトイレを我慢してたら観ずに出て行ってもオッケーな気がする。

感想

観る前に結構強めに感じていた不安があって、予告編を見るたびにその不安が増してました。
その不安とは、「こんなにいろんな要素を詰め込んで尺が足りるのか?」というもの。
f:id:tokidokioh:20170811165947p:plain
今回の映画で消化しなきゃいけない要素はざっと挙げると、
青春映画としてのスパイダーマン
②「街のヒーロー」としての活躍
③「大いなる力には大いなる責任が伴う」という命題
アベンジャーズへの加入
⑤トニーとの擬似親子的関係を軸とした成長物語
こんなにある!

①~③はこれまでの歴代スパイダーマンでも提示された、スパイダーマンの骨子となる部分で、
④はMCU世界に参入する以上は無視できない要素だし、
⑤は『シビル・ウォー』からの流れと、今後のMCUの構想を見る限り必須↓。
マーベル社長『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』が一部キャラクターの「最終章」であることを認める | ORIVERcinema

どの要素もそれ1つで一本の映画を作るには十分だと思うんだけど、それを5つも2時間強のうちにまとめて片付けないといけない。
相当な交通整理力が必要になるし、下手な監督なら空中分解しかねないと思っていたんだけど、
全てオッケー!クリアしてます!及第点!

①はタイトルの由来でもあるホームカミングのパーティを到達点に、個性豊かなクイズ部の面々とのスクールライフをしっかり描いて楽々達成させてる。
『ブレックファスト・クラブ』的な、スクールカーストの垣根を越えた交流は楽しいし、だれもかれも特徴的ですごく好きになれる。
個人的にはゼンデイヤ演じるミシェルが一番好きで、メインストーリーにはほとんど絡まないけど何故かいつもピーターのそばにいる感じがとてもよかった。
こういう、一見どうでもいいことを掘り下げて描く人物造形は監督の前作の『コップ・カー』でも現れていて、この監督の十八番なんだと思う。
演出で一番得したキャラであり、終盤のあるセリフから、それが必然であったことも分かる。
事前の宣伝で前に出てた割に今回の出番は少ないけれど、今後のシリーズでは大いに活躍してくれそう。

②は過去のスパイダーマンでもおなじみなクイーンズの風景の中を飛び回る前半のシークエンスでばっちり示してくれるし、④とも関連する形でラストにスパイダーマンらしい結論を出してくれる。
あるシーンで、ピーターが地の利を生かして近道しつつ車を追跡するシーンは、シャーロックホームズっぽいなと思ったりもしました。
「あなたの親愛なる隣人」として、こういうシーンがあるとテンション上がりますね。
ただまあ、過去作ではよく見た「街の人に救われるシーン」があまりなかったのはちょっと残念。

③はベンおじさんの件がカットされた分(賢明な判断だと思います)、どこでコレ回収するのかなと思ってたけど、前回の『シビル・ウォー』でもう言ってた
本作の中では、ひょっとするとホームカミングデーを抜け出したあの疾走がこれを体現してるのかな、と思ったりするけど。

④はラストの見事な結論に膝を打った。
MCUという、アベンジャーズ至上な世界の中であれを言わせるというのは本当に意外ですごいことだし、少年が大人に向かってステップアップしたという実感をこれほど感じられる決断は他にない。
スパイダーマン的なテーマを換骨奪胎してMCUに上手く埋め込んだなという感じ。
いいラストでした。

⑤は関係性萌えの極致。
父親的な存在を失っているピーターと、父と確執を抱えたまま死別し、それをいまだに引きずっているトニーが師弟として、擬似的な家族としてぎこちなく付き合っていくという流れが、数少ないシーンの中でうまく描けていたように思う。
偉大な存在である「父」に認めてもらおうと背伸びして、地に足が着いていなかったピーターが、最後には「父」の予想を超える決断をして、しっかり地に足を着けて帰っていく
②や④のテーマと複合的に絡みながら、⑤にもしっかり回答を出したストーリーテリングは見事。
どうでもいいけど、メイおばさんにマリサ・トメイというRDJの元カノをキャスティングしたというメタな部分からも、この擬似家族感が裏打ちされて際立っていたような。


満点!じゃなくて及第点!なのは、アクションシーンが夜ばっかりでせっかくの戦闘がよく見えないとか、よくできてるにしてもちょっと演出が急ぎ足じゃないかとか(ホームカミングパーティで決断するの速すぎじゃねとか)、落ち着いてから考えるとまあまあ粗が見えるからなんだけど。
それでも観ている時は最高に楽しかったし、これだけの負荷がかかる中で話がとっちらかってなかったのは普通にすごいことでしょう。
MCUの作品を手掛ける監督は誰しもがこの「交通整理」を求められるんだけど、ジョン・ワッツ監督もほかの偉大な監督たち同様、そのチャレンジに成功してみせたということだと思う。
f:id:tokidokioh:20170811171020j:plain
↑本編になかったシーン

まとめ

後から考えてみると、大傑作!というわけではないけれど、それでも観ている間は最高に楽しいし、滅茶苦茶上がったハードルを飛び越えたのは間違いない一作です。
劇場に人がいっぱいに入ってて、興奮を共有できる今こそ観に行くべき映画だと思います。