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【映画感想】ザ・マミー/呪われた砂漠の王女 ハリウッドでもこんなん作っちゃうんだな




『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』、TOHOシネマズでIMAX3D字幕鑑賞してきました。
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鑑賞前

チケット予約してからふとrottentomatoesの評価が気になって見てみたんですが、
見ないほうが良かった…。
私が観た段階ではTOMATOMETER(評論家の肯定的なレビューの割合)は15%、AUDIENCE SCORE(一般の人の☆3.5以上レビューの割合)が40%。
ちょっとこの規模の大作で見たことない数字っていうか…、と思ったらトランスフォーマー最新作も同じくらいの数字でした。
なんかこう…ファイト!
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レビューの平均的な意見は「お約束的な面白さも、怪物映画らしいスリルもない。ダーク・ユニバースは早く見直したら良いと思う」。
「怒り」とか「嘆き」の前に「心配」が先立つってどんな映画なんですかね…。

チケット買ってしまったから観に行くけど滅茶苦茶心配です。でもけっこう席は埋まってるっぽいけどなー。

基本情報

監督:アレックス・カーツマン
脚本:ジョン・スペイツ クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ ソフィア・ブテラ アナベル・ウォーリス ジェイク・ジョンソン コートニー・B・ヴァンス ラッセル・クロウ
原案:カール・フロイント『ミイラ再生』
日本版公式HP:映画『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』公式サイト 大ヒット上映中!

監督のアレックス・カーツマン氏は近年だとリブートの『スター・トレック』2作とか『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の脚本やってた人。IMDb見る限りこれが映画監督2作目で、よくフックアップしたなという印象を受ける。MCUが意外な人材起用して大当たりしたのをダーク・ユニバースも参考にしているのかしら。

脚本の2人のうち最初にクレジットされてるジョン・スペイツは春にやってた『パッセンジャー』の人。『パッセンジャー』でBlack List(未制作だが優れた脚本が選定される)に選ばれたこともあって、実力は確か。クリストファー・マッカリーは「皆様ご存知」という感じ。『ユージュアル・サスペクツ』に『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』。
こうしてみると脚本は手堅く固めている。

トム・クルーズはさて置き、よみがえる王女の役にソフィア・ブテラ。『キングスマン』に出てたらしいけど観てないから初見。どうでもいいけど声優がベッキーって大丈夫か。
それよりラッセル・クロウの役名、ヘンリー・ジキル博士に驚いた!『ジキルとハイド』のジキル博士が出てくるとは。ダーク・ユニバースを繋ぐキャラになるのかな。

ところでベッキーという不確定要素を避けて字幕版を予約したものの、なんと字幕担当は戸田奈津子女史であった。
前門のベッキー後門の戸田、どう足掻いても絶望と言わざるを得ない。

鑑賞後

これは誰が得する映画なんだろうか。
ぜんぜん面白くなかった…。やっぱりrotentomatoesには勝てなかったよ…。
ビッグバジェットでIMAXでルックはすごい良かったけど、それ以外に何もない空虚な映画だった。
IMAXだからなあ…学生でも2000円超えてくるのにこの出来は…。

全体感想

まず、トム・クルーズ演じる主人公に何の魅力も感じない。
この人は日本におけるキムタクと同じで、あまりに有名で人気だからステレオタイプががっちり固まってしまていて「誰を演じてもトム」になりがちだけど、それでも近年のトム映画はそのステレオタイプを裏切ったり逆に誇張して弄ったりする工夫があって、それゆえに彼の演じるキャラクターは魅力的だったんだけど、今回のトムはステレオタイプとしての「トム・クルーズ」そのままだ。
「女好きで軽薄だけど決めるとこでは決める」という見慣れたキャラクターは2017年に改めてまみえるとすっごく陳腐でムカつくキャラだということが分かった。
勿体ないなあ…。

シナリオも見せ方も、制作陣の名前からすると期待外れもいいとこ。予告でかすかに感じたワクワクが全部裏切られた。
ピラミッド出てこねえしロンドンに女王の顔が浮かぶシーンは大したシーンじゃねえし登場人物みんな情緒不安定で言行不一致だし、どうやって物語にノレばいいんだと思ってたら2時間過ぎてしまった。
一応ホラーのくせに、怖さの表現が「突然動いてビックリさせる」「大きな声を出す」くらいしかなくて全然新鮮じゃないし吃驚しない。
超現実的なシーンは全てトムが観る幻影、妄想として処理されるので、お化け屋敷感というか、「後戻りできないヤバいところに来てしまった」感が無いのもマイナス。
ゴアもないし、もっとまじめに怖がらせてほしい。

この題材とスタッフで盛り上がらなくて、ダークユニバースを今後どうやって盛り上げていくつもりか訳が分からない。
てゆーか1つの映画として完成されてないのに次回作への含みをあちこちに忍ばせるの、本当にムカつくからやめたほうが良いと思う。

それからたぶんベッキー戸田問題は吹替のベッキーの方がベターな気がする。
エジプトの王女はだいたい古代エジプト語で喋るし普段から変なエフェクトが掛かってるので、誰が声優でも大崩れしない。
字幕はちょくちょく代名詞が怪しかったりして、登場人物の行動や関係が分かりにくくなっていたから、ベッキーよりよっぽど深刻だった。
とはいえ全体が大した話じゃないので、どっちを選んでも関係ないのも事実。

トムのアクションもっと見せろ

『ミッションインポッシブル』でも『アウトロー』でもいいんだけど、最近のトムの映画って、ノースタントかあるいはそれに準じる生身のアクションの豊富さにこそ魅力があると思ってる。
CG全盛の今、あえて生身の体、を前面に押し出すアクションに挑戦して、その挑戦自体にハラハラドキドキするというのがトム映画をトム映画らしく良いものにするための必要条件だと思っていたけれど、今作には残念ながらそれが殆どなかった。
こないだ『銀魂』で見たちょっと残念なアクションに似たシーンがあって、本当にこれが予算マックスなハリウッド映画なのか自身が持てなくなった。

冒頭のゲリラだかテロリストとの戦闘は、トムの見せ場がないままに爆撃機の絨毯爆撃で終了。
カーチェイスはカメラがごちゃごちゃ動いてよくわからないし、ラスボス的存在のエジプト王女との力関係が王女≫超えられない壁≫トムになっていて、そこのタイマンも全く面白くない。
ラストの方で、トムが女王に一矢報いるシーンはもう少し何とかならんかったのか。
「なぜ」「どうやって」トムがアレを盗むことが出来たか、序盤に伏線の張り様はいくらでもあったのに、そこの演出を怠ったからすごい唐突でご都合主義なシーンになってしまっているし、見せ場のつもりか無理やり盛り上げてきてほんと最悪。

相対的にアクションシーンよりも世界観の説明やキャラの紹介、人物ドラマ(笑)に枠が割かれてるので、そもそもこの映画がアクションを売りにしてないのかもしれないけど、それならトムのキャラは上述の通りあまりに工夫がない。
話の筋がたいして面白くないんだから、せめて圧倒するアクションで引っ張ってほしかった。

物語内ルールがよくわからない

映画はフィクションだからある意味何が起きても不思議はなくて、だからこそ作中でルールをしっかり定めておかないとリアリティがなくなって感情移入もハラハラもできなくなってしまう。
「コイツはこれが出来てこれが出来ない」、「この道具はこの為に使う」、「ここまでやられたら死ぬ」。
それがシーンによってご都合主義的にブレているので、物語に没頭しようとするとそのたびに冷や水をぶっかけられる。

例えば、これは私の読解力のなさかもしれないけど、セトの短刀というこの物語内で最大のキーアイテムの効果が二転三転していた気がする。
死を司る神たるセトから、アマネット女王が受け取った短刀で、これで人を刺すと①死ぬか②不死の力を得るという2通りの真逆の力があって、それが時と場合によって違うので、トムが刺されそうになったり刺されたりしても何が起こるかその次のシーンまでわからないのでハラハラできない。

あと、アマネット女王はそこまでいろいろできるなら捕まった時に反撃できたんじゃないかとか、いかに死霊とはいえ鎧着てたら泳げなくないとか、ラストでヒロインに起きたある事はどういう理屈なの?とか、いちいちツッコミどころが多くて、それを押しのけるだけの物語の面白さもない。

終わりに

終わった後、面白くなかったより先に、この映画は何だったんだという困惑が先に来てしまった。
何を思ってこれを、そしてダーク・ユニバースなるリブートシリーズを作ったのかもわからないし、この映画の伝えたかった面白さも分からない。
今のところ観る価値はゼロだったと思うけれど、もしかしたら今後このシリーズが爆発的に面白くなって、第1作である本作を観ておいてよかったと思うかもしれない。
あり得るかもしれない未来への投資という意味で、本作はおススメと言える。

かなり貶す文章を書いてしまって辛い
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